特集
お知らせ
リネンのコト
リネンカーテンは縮みますか?
「リネンカーテンって、洗濯できますか?」
「リネンカーテンは洗濯すると縮みますか?」
といった質問をよくいただきます。
「縮みます」も「縮みません」も答えとしては正しくないので、
洗いがかかっていないものは洗うと最初は縮みます。
でも、ある程度縮んだものはそれ以降ほとんど縮まない
という言い方が正しいかもしれません。
その「ある程度」がどのくらいかというと、だいたい10%前後と言われています。 2mの高さのカーテンで10%縮むと、20cmも縮んでしまうってこと!! カーテンとしては、キビシイですね。
洗い方・脱水の仕方によっても変わりますし、最初の洗濯で乾燥機なんか使ったら、一気に縮みます。
だから、一般的には水洗いではなく、ドライクリーニングをおすすめするというわけです。 (厳密にはドライでも多少は縮みます。)
でも、当店のリネンは、カーテンに仕立てる前にたっぷり洗い込んで、縮めたあとに縫製しているので、ご家庭でお洗濯してもほとんど縮みがないですとお伝えしています。
天然繊維はどれもたいてい縮みますが、縮む理由を知るために、リネンを例にしてご説明します。 それにはリネンの原料、”フラックス”を収穫するところにまでさかのぼる必要があります。
リネンの生地づくりはまず、原料となるフラックスの茎の部分から、いくつもの工程を経て繊維を取り出し、それを紡いでリネン糸をつくるところから始まります。
リネンは繊維の中心が空洞になった中空構造ですので、引っ張ると伸びるんですが、力を加えて引っ張った状態にして撚りを掛けることで、リネン糸として形態が安定します。 糸になったときに、すでに伸びた状態になっているので、元に戻ろう(= 縮みたい!)とする力が働いています。
さらに糸を織って生地にしていく段階でも、糸を引っ張りながら生地を織ってていくので、これでもか!というくらい伸ばされます。 反物としてロール状に巻き上げるときも、機械の強い力で生地方向 (タテ方向)に引っ張られて、きっちりと巻かれていきます。
一般的には、反物を縫製するときには生地を広げて1~2日置き、生地の緊張状態を元に戻すために、放反(ほうたん)というステップを踏みますが、それでも原料段階の状態に戻るわけではなく、縮む要素を含んだまま、様々な用途に使われていくわけです。
ここまでは、ずっと伸ばされ続けたから、チャンスがあれば縮んでやろう!とリネンは密かに思っているという話です。 ここからは、なぜ洗うことが、リネンに縮むチャンスを与えるのか、という話。
繊維というのは水を含むと膨張します。 水の分子が繊維に入り込んで膨らませ、水の分子が抜けていくときに、これまでずっと伸ばされっぱなしだった繊維が、ここぞとばかり、素の状態に戻ろうとして縮むんです。 洗うと縮むというより、ほんとは洗って水分が抜けるとき(=脱水のとき)に縮むっていうほうが正しいかも。 だから、まだ縮みきっていない生地を、あまり縮ませたくないときは、極力脱水機を使わないで、水がポタポタしているくらいで、陰干しするってのは有効なんです。
この洗って、乾いて、を何度か繰り返して、無理に伸ばされてない状態に戻った繊維は、ようやくそこで安定して、それ以降はほとんど縮まなくなるということです。
さて、長々と「洗うと縮む」理由と、「縮みきった繊維は安定する」という話をして、頭では「そういうことね」と理解いただけたとは思いますが、論より証拠。 実際に実験をしてみました。
実験①は、ベルギーリネン25 キナリを使って行いました。
左の写真が、洗濯前の状態ですが、洗いこまれているので、すでに適度にシワがあり、風合いが出てきています。 これに洗濯で消えないように、油性ボールペンで、10cm×10cmの正方形を書きました。 洗濯をして、この縦横がどれだけ縮むかというのを測定します。
洗濯機水洗いで3分、洗濯機の脱水で1分、あとは日陰干しで自然乾燥させました。
さて、結果は!
なんと、横方向は全く縮みはありませんでした! 洗濯によってボールペンの図と文字は薄くなってますが、うっすら残ってますね。 今回縮むかどうかの実験のためにあえてシワを伸ばさず干したので、シワ感が増していますが、ほんとは伸ばして干したほうがいいです。
今度は縦方向。こちらは1㎜の縮みがありました。 10cm=100㎜に対して1㎜ということは、1%の縮率ですので、理論上は、高さ2m=2,000㎜のカーテンだと、丈が20㎜、つまり2cm縮むことになります。 洗いこまれたリネンカーテンも、完全に縮みきっているわけではないようです。
とはいっても、実は、パンパンと引っ張って干すと、縮率1%分くらいは伸びてしまいますので、カーテン寸法にほとんど影響はでないくらいです。 当店でリネンカーテンをご注文の場合、基本はジャストサイズでご注文いただいています。 心配な方は1〜2cm余裕をみてもいいかもしれません。
では、次に一般的な水通しのしていないリネンを使って実験②です。 こちらもリネン100%ですが、洗いがかかっていないので、シワや風合いもなく、ツルンとした表面の生地です。
リネンカーテン自体、一般的なカーテン屋さんで扱うことは少ないですが、扱っていたとしてもこのような水通しをしていないものがほとんどだと思います。
条件は先ほどと同じ、洗濯機水洗いで3分、洗濯機の脱水で1分、日陰干しの自然乾燥です。
では、どれくらい縮むのでしょう?
まず横方向ですが、2㎜縮んでいます。 縮率2%ですね。 想像していたよりは縮まなかったという印象です。
縦方向は、5㎜縮んでいます。 縮率5%。 初めての洗濯で5%の縮みですので、おそらく2度、3度と洗濯していくともう少し縮んでいき、最終的にはやはり10%くらいは縮んで落ち着くのでしょうか。 1回の洗濯で、高さ2mのカーテンの丈が10cm短くなるという計算ですので、やはり洗いがかかっていない生地については、ドライクリーニングをおすすめしたほうが良さそうです。
家でもガンガン洗濯をして、リネンの風合いをどんどん出していきたい、という場合は「トレジュールのリネンカーテン」をおすすめします。
COLUMN TOPへ戻る
お問い合わせフォーム
お見積もりESTIMATE
ご相談 CONTACT
「リネンカーテンって、洗濯できますか?」
「リネンカーテンは洗濯すると縮みますか?」
といった質問をよくいただきます。
「縮みます」も「縮みません」も答えとしては正しくないので、
洗いがかかっていないものは洗うと最初は縮みます。
でも、ある程度縮んだものはそれ以降ほとんど縮まない
という言い方が正しいかもしれません。
その「ある程度」がどのくらいかというと、だいたい10%前後と言われています。
2mの高さのカーテンで10%縮むと、20cmも縮んでしまうってこと!!
カーテンとしては、キビシイですね。
洗い方・脱水の仕方によっても変わりますし、最初の洗濯で乾燥機なんか使ったら、一気に縮みます。
だから、一般的には水洗いではなく、ドライクリーニングをおすすめするというわけです。
(厳密にはドライでも多少は縮みます。)
でも、当店のリネンは、カーテンに仕立てる前にたっぷり洗い込んで、縮めたあとに縫製しているので、ご家庭でお洗濯してもほとんど縮みがないですとお伝えしています。
縮む理由を詳しく
天然繊維はどれもたいてい縮みますが、縮む理由を知るために、リネンを例にしてご説明します。
それにはリネンの原料、”フラックス”を収穫するところにまでさかのぼる必要があります。
リネンの生地づくりはまず、原料となるフラックスの茎の部分から、いくつもの工程を経て繊維を取り出し、それを紡いでリネン糸をつくるところから始まります。
リネンは繊維の中心が空洞になった中空構造ですので、引っ張ると伸びるんですが、力を加えて引っ張った状態にして撚りを掛けることで、リネン糸として形態が安定します。
糸になったときに、すでに伸びた状態になっているので、元に戻ろう(= 縮みたい!)とする力が働いています。
さらに糸を織って生地にしていく段階でも、糸を引っ張りながら生地を織ってていくので、これでもか!というくらい伸ばされます。
反物としてロール状に巻き上げるときも、機械の強い力で生地方向 (タテ方向)に引っ張られて、きっちりと巻かれていきます。
一般的には、反物を縫製するときには生地を広げて1~2日置き、生地の緊張状態を元に戻すために、放反(ほうたん)というステップを踏みますが、それでも原料段階の状態に戻るわけではなく、縮む要素を含んだまま、様々な用途に使われていくわけです。
ここまでは、ずっと伸ばされ続けたから、チャンスがあれば縮んでやろう!とリネンは密かに思っているという話です。
ここからは、なぜ洗うことが、リネンに縮むチャンスを与えるのか、という話。
繊維というのは水を含むと膨張します。
水の分子が繊維に入り込んで膨らませ、水の分子が抜けていくときに、これまでずっと伸ばされっぱなしだった繊維が、ここぞとばかり、素の状態に戻ろうとして縮むんです。
洗うと縮むというより、ほんとは洗って水分が抜けるとき(=脱水のとき)に縮むっていうほうが正しいかも。
だから、まだ縮みきっていない生地を、あまり縮ませたくないときは、極力脱水機を使わないで、水がポタポタしているくらいで、陰干しするってのは有効なんです。
この洗って、乾いて、を何度か繰り返して、無理に伸ばされてない状態に戻った繊維は、ようやくそこで安定して、それ以降はほとんど縮まなくなるということです。
「トレジュールのリネンカーテン」は、本当に縮まないのか?
さて、長々と「洗うと縮む」理由と、「縮みきった繊維は安定する」という話をして、頭では「そういうことね」と理解いただけたとは思いますが、論より証拠。
実際に実験をしてみました。
実験①は、ベルギーリネン25 キナリを使って行いました。
左の写真が、洗濯前の状態ですが、洗いこまれているので、すでに適度にシワがあり、風合いが出てきています。
これに洗濯で消えないように、油性ボールペンで、10cm×10cmの正方形を書きました。
洗濯をして、この縦横がどれだけ縮むかというのを測定します。
洗濯機水洗いで3分、洗濯機の脱水で1分、あとは日陰干しで自然乾燥させました。
さて、結果は!
なんと、横方向は全く縮みはありませんでした!
洗濯によってボールペンの図と文字は薄くなってますが、うっすら残ってますね。
今回縮むかどうかの実験のためにあえてシワを伸ばさず干したので、シワ感が増していますが、ほんとは伸ばして干したほうがいいです。
今度は縦方向。こちらは1㎜の縮みがありました。
10cm=100㎜に対して1㎜ということは、1%の縮率ですので、理論上は、高さ2m=2,000㎜のカーテンだと、丈が20㎜、つまり2cm縮むことになります。
洗いこまれたリネンカーテンも、完全に縮みきっているわけではないようです。
とはいっても、実は、パンパンと引っ張って干すと、縮率1%分くらいは伸びてしまいますので、カーテン寸法にほとんど影響はでないくらいです。
当店でリネンカーテンをご注文の場合、基本はジャストサイズでご注文いただいています。
心配な方は1〜2cm余裕をみてもいいかもしれません。
洗っていないリネンはどのくらい縮むか?
では、次に一般的な水通しのしていないリネンを使って実験②です。
こちらもリネン100%ですが、洗いがかかっていないので、シワや風合いもなく、ツルンとした表面の生地です。
リネンカーテン自体、一般的なカーテン屋さんで扱うことは少ないですが、扱っていたとしてもこのような水通しをしていないものがほとんどだと思います。
条件は先ほどと同じ、洗濯機水洗いで3分、洗濯機の脱水で1分、日陰干しの自然乾燥です。
では、どれくらい縮むのでしょう?
まず横方向ですが、2㎜縮んでいます。
縮率2%ですね。
想像していたよりは縮まなかったという印象です。
縦方向は、5㎜縮んでいます。
縮率5%。
初めての洗濯で5%の縮みですので、おそらく2度、3度と洗濯していくともう少し縮んでいき、最終的にはやはり10%くらいは縮んで落ち着くのでしょうか。
1回の洗濯で、高さ2mのカーテンの丈が10cm短くなるという計算ですので、やはり洗いがかかっていない生地については、ドライクリーニングをおすすめしたほうが良さそうです。
家でもガンガン洗濯をして、リネンの風合いをどんどん出していきたい、という場合は「トレジュールのリネンカーテン」をおすすめします。